SOLAKZADE®JEWELER

ソラックザーデ・ジュエラー

 アナーキストでありアーキビストである岡本兄弟は、現代にジュエリーを身に着ける意義を、ある種の反逆と捉えている。ソラックザーデ1階、バンク・ド・フランス(フランス中央銀行)ので1890年代から使われていたという、アール・ヌーヴォー様式の装飾が施された頑健な金庫の中。岡本兄弟が欧州で出会った重要人物の協力の下で蒐集してきた過去2000年分のジュエリーが次の持ち主を待ち、静かに反逆の時に備えているのだ。

 宝石は、人間の時間を大きく越えたスケールで生み出される。例えばダイヤモンドは35億年前に形成され、数億年前の噴火によって地表近くに「あらわれる」。そしてある時、ある場所で、ある人物が朽ちることも傷つくこともない、揺るぎない存在を見つけた。そこに人智を超えた何かのちからを感じ取るのは、現代の我々からしても想像に難くない。

 古来、宝石とは、神のちからの最も純粋なあらわれであり、ジュエリーは、それに示し続けられる敬意であったのだ。神との確かな結びつきを示すジュエリーは、権力者や神官のみが身に着けることを許され、そのちからの純然たる象徴として位置づけられていた。ローマ教皇の漁夫の指輪や、連合王国の聖エドワード王冠、オスマン帝国のオスマンの剣などだ。その時代、その土地で可能な最大限の装飾を施され、それらを身につけることで、その地位の正当性を知らしめたのだ。

 このように、強い思想で作り上げられたジュエリーは、時代や文明を問わず存在感を放ち続けた。逆に言えば、100年前から現在は、人類の営みの中で最もジュエリーの価値が軽んじられている時代と言える。それは、いにしえのちからを振りかざし世界を治める人々、つまり貴族を否定することで成立した社会を構築する必要があったからに他ならない。 

 ソラックザーデは、ジュエリーが持つ、人間の尺度では推し量ることのできないちからを再び世界に知らしめ、そのちからを一人ひとりが内なる探求をするために使ってほしいと願っている。現代において、これらの歴史的なジュエリーを身に着けることは、現代社会への静かな反逆の意思表示であり、周囲の景色を変えてしまう「まじない」でもある。我々は、それぞれのジュエリーがもつ、無限の輝きのその一瞬の機微に何かを感じ取るような生き方が、これからの世の中に求められると確信している。

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